空き家の解体費用を調べると、こんな迷いが出てきませんか。
- 金額がばらばらで、どれを信じればよいのか分からない。
- 見積もりを取っても、高いのか安いのかが分からない。
- 補助金は、いつ、どう申請すればよいのか分からない。
そうなるのは、解体費用が、建物の大きさや立地、残っている荷物などで変わり、建物ごとの見積もりで決まるからです。公的な資料に平均額は見当たらなかったため、このページには相場の金額を書きません。
金額が分からなくても、見積書で確かめる点は、先に知っておけます。補助金は、契約の前に申請が必要な場合があり、福井市は、交付決定のあとに契約を結ぶよう求めています。まず見積書の見方、次に補助金の順番を確かめてください。
届いた見積書を前にして、「ここを確かめればよい」と、自分で見当をつけられる。そんな状態で、このページを閉じられるでしょう。
費用は、いくらくらいですか?
実家や空き家を前にして、まず知りたいのは金額だと思います。ところが、国の統計や公的な資料のなかに、木造住宅の解体費用の平均を示したものは、調べた範囲では見つかりませんでした。インターネットには1坪あたりの金額を載せたページもありますが、出典や建物の条件を確認できないものがあります。
建物の大きさ、道の広さや立地、家のなかに残っている荷物の量は、家ごとにまったく違います。他人の家の金額を目安にしても、あなたの家に当てはまるとは限りません。
金額を知る確かな方法は、見積もりを取ることです。1社だけでは高いのか安いのか判断できないので、複数の業者に同じ条件で出してもらうと、内容の違いが見えてきます。
見積書では、何を見ればよいですか?
見積書は、総額だけで比べないでください。同じ総額でも、含まれているものが業者ごとに違うことがあり、内訳を見ると、安く見えた理由や高く見えた理由が分かります。確かめたいのは、次の5つです。
- 何㎡で計算しているか。建物の延べ床面積と、見積書の面積が合っているか。
- 石綿(アスベスト)の事前調査が、含まれているか。
- 家の中の家具や荷物(残置物)の片づけが、含まれているか。
- 解体後の土地の整え方(整地)が、どこまでか。
- あとから金額が増える場合の条件が、書いてあるか。
面積が合っているか
面積は、金額の計算に関わる場合があります。登記簿や固定資産税の通知書にある面積と、見積書の面積を見比べて、違っているときは理由を聞いてください。あわせて、何を1つの建物として数えているか、つまり増築した部分や物置を含んでいるかを聞いておくと、話が早くなります。
石綿の事前調査
解体や改修の工事は、規模の大小にかかわらず、石綿の事前調査が必要です。これは、厚生労働省の石綿総合情報ポータルに書かれています。
延べ床面積が80㎡以上の解体では、調査の結果を労働基準監督署に電子システムで報告する決まりもあります。建築物の調査は、2023年10月から、資格を持つ人が行うことになっています。
そのため、見積書に調査の費用が入っているかを、まず見てください。入っていないときは、調査の時期、実施する人、費用を聞いておくと、あとから別の請求が出て驚くことが減ります。
残置物の片づけ
家のなかに荷物が残っていると、その片づけを誰がいつ行うかが問題になります。業者が片づけるのか、自分たちで先に片づけるのかによって、見積書の中身も、あなたの手間も変わります。
遠方に住んでいて、片づけに通うのが難しいときは、見積もりの段階で、片づけまで含めて頼めるかを聞いてみてください。含まれているかどうかが見積書にないときは、口頭ではなく、書面に書いてもらうよう頼みます。
整地の範囲
解体が終わったあとに、土地をどこまで整えてくれるのかも、業者ごとに書き方が違うことがあります。更地にしたあとで売る予定があるなら、買う人から見てどんな状態が望ましいかを考えて、整地の範囲を決めておくとよいです。
売るかどうかがまだ決まっていないときも、土地の使い方で必要な整え方が変わります。おおまかな予定を業者に伝えておくと、話が食い違いにくくなります。
追加費用の条件
工事を始めてから、地面の下に古い基礎や埋まった物が見つかる場合があります。そのときに金額が増えるのか、増えるならどんな場合に、どう知らせてもらえるのかを、契約の前に聞いておきます。
説明があいまいなときは、書面で出してもらえるかを確かめます。追加費用の条件が書かれている見積書は、あとで話し合うときの拠り所になります。
役所や法令で、壊す前に確かめる手続きは?
解体は、業者に頼めば終わりというわけではなく、発注する人、つまりあなたが自分で行う手続きがあります。どんな手続きがあるかを先に知っておくと、見積もりの段階で、業者に何を頼めるのかを確認できます。
建設リサイクル法の届出
建設リサイクル法は、解体で出る木材やコンクリートなどを分けて、再利用するための法律です。建築物の解体工事は、床面積の合計が80㎡以上だと、この法律の対象になります。対象の工事では、発注者が、工事に着手する7日前までに、都道府県知事へ届け出ます。これは国土交通省のリーフレットに書かれている内容です。
届出をするのは発注者ですが、書類づくりを業者が手伝う場合もあります。見積もりの段階で「届出の手伝いは含まれますか」と聞いておくと、迷いません。なお、このリーフレットは2018年の更新版です。届出先の窓口や決まりの最新の内容は、都道府県の窓口で確認してください。
建物の登記
登記されている建物を壊したときは、滅失登記が必要です。滅失登記とは、建物がなくなったことを法務局に届ける登記のことです。
登記のない建物の場合の手続きは、市区町村の税務の窓口で確認します。登記されているかどうかは、法務局で確かめられます。家の書類のなかに登記の記録が見当たらないときは、まずそこから調べるとよいです。
補助金は、誰が、どう使えますか?
国土交通省には「空き家対策総合支援事業」があり、令和8年度の概要資料によると、事業期間は令和8年度から令和12年度です。この事業は、市区町村が空き家の除却(解体)や活用に取り組むときに、国が支援する仕組みです。
資料には、所有者が解体する場合の負担の分け方が示されていて、国が2/5、地方公共団体が2/5、所有者が1/5です。
ただし、これは国と自治体の費用の分け方であって、あなたが受け取る補助率ではありません。あなたがいくら受け取れるかは、お住まいの市区町村が制度を作っているかどうかと、その制度の中身で決まります。国の数字をそのまま信じて計算すると、実際の補助額と大きくずれることがあります。
自治体の例:福井市
具体例として、福井市の令和8年度の制度を見ます。福井市では、使える空き家の条件が、「老朽危険空き家等」「準老朽空き家等」「旧耐震基準の空き家等」の3つの種類で分かれています。
老朽危険空き家等は、空家法の「特定空き家等」か、それに準じる状態であることが条件です。市のページには、建築年が古いだけでは補助の対象外となる場合がある、という注意書きもあります。
どの種類にも共通する条件には、延べ床面積が10㎡以上であること、固定資産課税台帳に登録されていることがあります。ほかにも、傷み具合の点数、抵当権などの設定がないこと、ほかの補助金を受けていないこと、といった条件が挙げられています。つまり、空き家であれば誰でも使える制度ではありません。
対象になる人は、空き家を処分する権限があると認められる人です。例として、所有権の全部を持つ人、全部を相続した人、所有者全員から委任を受けた人などが挙げられています。実家を相続して名義の整理がまだの人は、申請できるのかを、窓口で確かめてください。
補助額も種類によって違います。老朽危険空き家等の場合は、延べ床面積×5,000円と、解体費用の2分の1を比べて、基本は安いほうが補助されます。上限は50万円です。条件によっては上限が上がる特例もあるので、くわしくは市のページで確かめてください。
この例で注意したい点は、2つあります。1つ目は順番です。市のページには、補助金の交付決定を受けてから除却工事の契約を結ぶよう書かれています。見積もりを取るところまでは進められますが、契約の順番は、先に窓口で確かめておいてください。ほかの市区町村の決まりは、福井市と違うことがあります。
2つ目は、対象かどうかを現地調査で決める点で、そのため事前の相談が必要とされています。なお、これは福井市の例にすぎず、ほかの自治体は金額も条件も期限も違います。
期限にも注意が必要です。市のページには、工事の完了報告を令和9年3月31日までに行えることが条件とあります。使う可能性があるなら、早めに窓口で期限や受付の時期を確かめておくと、見通しが立ちます。
自分の市区町村の制度を探す
探し方は、まず市区町村の公式サイトで、「空き家」「解体」「除却」「補助」などの言葉を使って検索することです。見つからないときは、住宅や空き家の担当の窓口に、電話で聞いてみてください。聞くことは、対象の条件、申請の時期、現地調査の有無の3つです。
福井市の例のように、建物の種類や延べ床面積などが条件になることがあります。電話をする前に、建物の延べ床面積と所有者が分かる書類を手元に置いておくと、話が進みやすくなります。
固定資産税は、壊すとどうなりますか?
建物を壊すと、土地にかかる固定資産税が上がることがあります。固定資産税は、毎年1月1日の状態で決まります。住宅が建っている土地には税の軽減があり、住宅を取り壊すと、その軽減が外れる場合があります。そのため、壊した次の年度から、土地の税額が変わることがあります。
広島市のよくある質問では、年の途中で取り壊しても、その年度の税は1月1日現在の所有者に1年度分がかかる、と説明されています。
つまり、その年度の税は、その年の1月1日の状態で決まります。解体を決める前に、市区町村の税の担当へ、壊した場合に翌年度の税がどうなるかを聞いておきましょう。あわせて、減免などの制度がないかも尋ねてください。
迷うときは、何を基準にすればよいですか?
ここまで読んで、「結局、壊すべきなのか」と思う方もいると思います。このサイトでは、壊すべきかどうかを決めません。ただ、迷いの原因によって、次に確かめる点は変わります。
- 費用が心配な人は、補助金の有無と、見積書の内訳を先に見るとよいです。
- 税金が心配な人は、壊した場合の翌年度の税を、税の担当に聞くのが近道です。
- 家族の意見が分かれている人は、見積もりと補助金の条件を家族に共有して、同じ情報を見ながら話し合うと、話が進めやすくなります。
- 売るかもしれない人は、壊さずに売る場合と、壊してから売る場合とで、手元に残るお金を比べてみてください。
見積もりを取ることは、壊すと決めることではありません。決めるための材料を集める作業なので、迷っている段階でも、取ってかまいません。
次に、何から進めればよいですか?
次の順番で進めると、契約でつまずきにくくなります。
- 市区町村に、補助金の有無と、申請の順番を聞く。
- 解体業者に、見積もりを依頼する。
- 見積書の内訳を、上の5つの点で見比べる。
- 建設リサイクル法などの手続きを、誰が行うか確認する。
- 補助の交付が決まってから、契約する(自治体の決まりを確認)。
2の見積もりは、会社に依頼する形になります。
PR(参考)|解体の見積もりを、依頼したい方へ
解体費用は、建物ごとの見積もりで決まり、公的な平均額は見当たりませんでした。自分の家の金額は、会社に見積もりを依頼しないと分かりません。
届いた見積書を並べて、どこが違うのかを、一つずつ確かめている場面を、思い浮かべてみてください。見積もりを依頼する先を探すときだけ、検討してください。解体の見積もりを依頼する(PR)
※ 広告は、解体業者を選ぶための参考です。利用するかどうかは、補助金の確認と合わせて、ご自身で決めてください。
ほかの選択肢も、あわせて見たいときは?
壊す場合と、壊さない場合を、同じ条件で比べると、判断が進みます。壊すかどうかの全体の考え方は、解体のページに、まとめています。売ることも考えているなら、売却のページで、売る前に確かめることを見ておきます。
公式の確認先
- 補助金・空き家の相談: お住まいの市区町村の、住宅・空き家の担当窓口。
- 固定資産税のこと: 市区町村の税務の担当(固定資産税)。
- 建設リサイクル法の届出: 都道府県の届出窓口(国土交通省の窓口一覧)。
- 石綿の事前調査: 厚生労働省 石綿総合情報ポータル。
- 国の空き家対策: 国土交通省 住宅局 空き家対策総合支援事業(令和8年度概要資料)。
このページの限界
解体費用の公的な平均額は、確認できませんでした。金額は、見積もりで確かめてください。補助金の条件は自治体ごとに違い、福井市はあくまで例です。法令や制度は変わることがあり、確認日は2026年10月11日です。
税金や法律について、あなたの場合の判断はこのページではしません。税務署、司法書士、市区町村の窓口に相談してください。
急がない。書き出す。確かめる。
このページは、誰が書き、どう確認していますか?
「住まい判断 運営チーム」の運営者が、AIの支援を使って書いています。国や自治体などの公式のページや資料を確かめ、確認できたことを書いています。確認できなかったことは、そう分けて書きます。
制度や数字をくわしく説明するページには、確認した日(確認日)を添えています。確認の方法と更新のルールは、調査方法と更新ルールに、運営者の紹介は、運営者情報にあります。
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最終更新日:2026年10月29日